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【要約・まとめ】ストーリーとしての競争戦略を私見でまとめてみた

こんにちは。

本日は、ストーリーとしての競争戦略(楠木健著)の要約をしていきたいと思います。

 

様々な企業の戦略を紐解き、ストーリとしての戦略競争とは何か、がわかりやすく解説されている本書ですが、500ページ以上にわたる「本格経営書」ということもあり、読む事に腰が引けてしまいますよね、、

 

そこで、本記事では要点だけをさらって、リッツカールトンの例にあてはめながら、「ストーリーとしての競争戦略」を読み解いていきたいと思います!! 

 

ちなみに、ここで例に扱うリッツカールトンの戦略は、本書に述べられていません。自分でリッツカールトンを調べ、本書に述べられている内容をあてはめて、書いたものです。

 

そのため、もし、「この記事わかりやすい!」「確かに!」と評価してくださった方は、本書「ストーリとしての競争戦略」を読むだけで、これくらいの記事を書けるくらいの事業戦略の理解度に達します!

 

興味を持った方は、僕の記事だけで留まることなく、ぜひ本書を読んでより深い内容を理解してほしいです!!

 

それでは、まずはこの記事だけでも、ぜひ最後まで読んでみてください!!

なぜ戦略が重要か?

本書では、500ページ以上にわたり「競争戦略」が語られていたのですが、そもそも、なぜ競争戦略が重要なんでしょうか?

 

それを理解するにあたって、ハーバード大学経営大学院教授マイケル・ポーター著の「競争の戦略」で述べられてる、「5フォース分析」を理解する必要があります。

 

5フォース分析は、業界全体の収益性は5つの要因によって決められていて、その5つの要因を分析する事によって、業界全体の収益性を把握する手法です。

 

5つの要因は下記のとおりです。

①新規参入業者

②既存の競合業者

➂売り手の交渉力

➃買い手の交渉力

⑤代替品の脅威

 

一つずつ何を指しているのかを説明すると、話が長くなり、本筋とはずれてしまうので、ここでは割愛させていただきます。

 

気になる方はこちらの記事にわかりやすく解説されていたので。参照してみて下さい。

https://www.is-assoc.co.jp/brandinglab/mcdonalds-fiveforce

 

ここで、言いたい事は、これら5つの要因による妨げがない業界は限られているということです。製薬業界などは、この5つの要因をクリアしていますが、それ以外の業界はどうでしょうか?

 

中古車販売を例に見てみます。

①新規参入企業に関しては、広い敷地と中古車があればすぐに参入できそうです。

②既存の競合関係でも、トヨタのT-UPやアップルなど競合がひしめき合っています。

③売り手の交渉力に関しては、中古車を中古車販売店に売る人は様々な中古車販売店と買取価格を比較して、一番高く買い取ってくる販売店に車を売ります。そのため売り手が高い交渉力を持っています。

➃買い手の交渉力も同様に、中古車を購入する人は、別の中古車販売店と価格を比較して、それを引き合いに価格を安くするよう交渉ができます。そのため、買い手の交渉力も高いと言えます。

⑤代替品の脅威という点では、車は移動するための手段として考えるならば、新車販売やTimes Car Shareなどのレンタカーサービスも代替品となりえます。

 

このように、物があふれている現代では、5つの要因をすべてクリアできる市場はめったにありません。そのため、競争の激しい市場の中で何とか生き残らなければなりません。

 

そこで必要になるのが、「戦略」というわけです。

 

他者との違いをうまく作り出し、差別化することで、競争の激しい市場の中でも、生きられるというわけです。

戦略とは?

ここまでの話で、戦略の重要性をご理解いただけたと思いますが、そもそも戦略とは何かと言いますと、「違いを作って、つなげる事」と本著では述べられています。

どのように違いを作るのか?

そして、違いの作り方は大きく二つに分かれます。

SP(Strategic Positioning)

これは、事業の何に力を入れ、他社との違いを生み出すか、という方法です。

言い換えると、「他社と違う戦い方をする」という考え方です。

 

SPを考える際に重要な点は、「何をやり、何をやらないか」を明確にする事です。

広く知られている言葉に置き換えると「選択と集中」です。何か一つをやると決めたら、それを集中的にやり、捨てなければいけませんよね。

 

アナウンサーの田中みな実は、万人から好かれるのをやめ、あざといキャラを貫き通すことで、他の女優などと違いが生まれ、最終的に多くのファンを獲得したのと同様な考え方です。

 

違いを生み出すためには、尖る必要があり、そのためには、やることを「選択」し、それに「集中」する必要があるというわけです。

OC(Organicational Capability)

一方でOCは「他者と違うものを持つ」という考え方です。

 

事業にあてはめると、組織の文化やオペレーションシステム、ルーティーンで他者との競争優位を作る方法です。

 

例えば、サイバーエージェントの、年功序列ではなく実力に応じて若手を抜擢する企業文化などがそれにあたります。

 

他社が模倣しようとしても、うまく機能するかわからず、そもそも、若手抜擢の企業文化がサイバーエージェントの成功要因とは必ずしも言い切れません。

 

このように、OCの

①因果関係の不明確さ(AすればBになるとは必ずしも言えない)

②暗黙性(外部から見えにくい)

➂進化性(日々の積み重ねによって改善されていく)

特徴によって、他社から模倣されにくく、よって違いが生まれるというわけです。

 

どのようにつなげるのか?

違いを作ったら、今度はその違いをストーリーにする必要があります。ストーリーにするために重要な要件が、「戦略ストーリーの5つのC」です。

 戦略ストーリーの5つのC

5つのCとは、

Competitive Advantage(競争優位)

Concept(コンセプト)

Critical core(クリティカル・コア)

Component(構成要素)

Consistency(一貫性)

の頭文字をとった考え方です。

いろいろと細かい話に移る前に、ざっとこの図で大まかな内容を理解しましょう。

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ストーリーとしての競争戦略図式

それでは、それぞれについてみていきたいと思います。

競争優位(Competitive Advantage)

競争優位とは、どのように持続的な利益を得るのか、という考え方です。すべての戦略は、長期的な利益を得るためにあります。その長期的利益を得るためには、二つの方法があります。まずはどちらの方法で長期的な利益を獲得するのかを設定することが重要になります。

WTP(Willing to Pay)

一つが、価格が高くても買う価値があるものです。多くは売らなくても、利益率が高いので、長期的な利益を得ることができます。

 

例えば、リッツカールトンなどがその例にあたります。すべてはWTPすなわち、高い利益率を実現するために、高級感のある外観や上質なサービスなどを提供しています。

Cost

逆に多くの人に安く売る、薄利多売のビジネスモデルがCostに該当します。多くの人に売り、規模の経済によって、長期的な利益を得るというものです。

 

ビジネスホテルがこの例に該当します。安価で利便性の高いビジネスマン向けの部屋を、多く、効率的に提供することで、長期的な利益を獲得しています。

コンセプト(Concept)

コンセプトは、本当のところ、誰に、何を提供しているかを定義する事です。

 

重要なことは、本当のところ、です。

リッツカールトンの場合は、ホテルの部屋を提供しているのではなく、本当のところは、人生で最も有意義な旅をインスピレーションに満ちたものにする」ことを提供しています。

人生で最も有意義な旅をインスピレーションに満ちたものにします

引用元:ザ・リッツ・カールトン公式サイト 

構成要素(Component)

そして、コンセプトが決まったら、あとはそのコンセプトを実現するために、様々な構成要素を打ち出していく必要があります。

 

リッツカールトンで言うところの、従業員に20万円の決裁権を持たせる、従業員の教育、表彰制度などです。

 

一貫性(Consistency)

そして、そしてそれらの構成要素をつなぐのが、一貫性です。ばらばらになっている構成要素を、論理でつなぎ、一貫性を持たせる必要があります。その際に、重要なことが、強さ・太さ・長さです。それぞれ見ていきます。

ストーリーの強さ

ストーリーの強さは、AをすればBになる可能性の確実さを言います。

 

リッツカールトンの場合、質の高いサービスをすれば、顧客単価が上がる。これは、誰が考えても疑いようがない因果関係です。

ストーリーの太さ

ストーリーの太さは、多くの構成要素と絡まり合うことを言います。

 

従業員満足度(以降ES)の向上により、質の高いサービスの提供だけではなく、離職率の低下による教育費の軽減や質の高い人材の獲得につながります。

ストーリーの長さ

ストーリーの長さは、因果関係のステップの多さのことを言います。もっというと、将来への展望の事です。

 

ESの向上⇒顧客満足度(以降CS)の向上⇒口コミ⇒マーケティング費用の軽減⇒更なる質の向上⇒CSの向上

このように、好循環を呼び、将来への展望が見えてきます。

クリティカルコア(Critical core)

そして、最後のクリティカルコア。これは、様々な構成要素の起点となる要素です。

 

そして、本書では、このクリティカルコアは、一見して不合理である必要があると述べられています。

 

一見して不合理とは何か?そして一見して不合理である必要がなぜあるのかにお話しします。

 

一見して不合理とは?

一見して不合理とは、その要素一つだけを見ると、不合理のように思えるのですが、全体としてみたときには、それが合理的であることを言います。

 

リッツカールトンの場合、従業員満足度を徹底的に上げる事が、一見して不合理のように思えます。

 

ホテルの常識として、ホテルマンは、フロントで荷物を預かり、部屋に案し、掃除することが一連の仕事でしょう。あなたがホテルで得た感動も基本的に料理や、施設の豪華さなどではないでしょうか?

 

ホテルは豪華な施設、料理、最低限のサービスがあれば満足できるものになり得ます。そのため、ホテルは維持費を下げるために、オペレーション費用を下げることに注力します。その費用の中の一つが、人件費です。多くのホテルが受付を機械化しようとしているのが十分な根拠になり得ますよね。

 

しかし、リッツカールトンは、ESの向上に徹底しています。

 

それは、リッツカールトンが、従業員満足度を上げ、従業員によるサービスが感動を生み、その結果、顧客満足度を上げる、というストーリーを持っているからです。

なぜ一見して不合理が必要か?

なぜ、一見して不合理が必要であるかといいますと、一見して不合理なので、誰も模倣したくないためです

 

一見すると、従業員に一日20万円の裁量を与える事や、徹底した教育を誰もやりたいとは思いません。なぜなら人件費がかさみ、利益率が下がるからです。

 

そして、競争に勝つためには、違いを作り、つなげる必要があるというお話をしました。模倣したくないということは、他社との「違い」が生まれます。そのため、競争の激しい業界内で持続的な利益を得られるというわけです。

 

実際にリッツカールトンは、業界内でも一線を画し、持続的に利益を生み出している、世界でも有数の企業といえると思います。

 

最後に図でまとめるとこんな感じですかね。本書では述べられていない内容なので、私見ではありますが、大まかにはあっているのではないかと思います。

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リッツカールトン ストーリー

ストーリーとしての競争戦略の概要をつかんでいただけましたでしょうか?

 

本書では、より具体的かつ奥深い企業の戦略ストーリーが取り上げられていて、とても興味深い内容ばかりでした。

 

 本記事では、本書で述べられているほんの一部しか取り上げていません(500ページ以上の内容なので、ブログに書ききるのは難しいです、、)ので、興味を持ってくださった方は、ぜひこちらからご購入お願いします。

 

 

~明日もいい学びを~